食中毒のお話

総合診療科

はじめに

身近な病気である食中毒についてお話しさせていただきます。
だんだんと気温が上がり蒸し暑い日が続いています。「エアコンをつけているからいいや」と涼しい季節と同じ感覚で室内にある食べ物を口にしていることはないでしょうか?
新型コロナウイルスの影響により飲食店が営業自粛となったことで、2020年は今まで以上にテイクアウトを利用されている方が多いようです。飲食店の方々も細心の注意を払って対応されていると思いますが、テイクアウトしたあとすぐに食べていますか?ついついテーブルの上に放置してしまったり、冷蔵庫に入れたからと期限を過ぎて口に入れていることはありませんか?自粛生活やテイクアウト利用が増えたことで2020年は食中毒が増加するのではないかと懸念されています。ここ数年では記録的な大雨による災害の影響で避難所での生活を余儀なくされ、その避難所での食中毒発生も問題となっていますので、今回取り上げることにしました。

食中毒の原因

食中毒の原因は、細菌、ウイルス、自然毒、化学物質、寄生虫などさまざまであり、摂取してから症状が出現するまでの期間や、その症状が異なります。細菌で代表的なものは腸管出血性大腸菌(O-157など)、カンピロバクター、サルモネラなどがあげられます。ウイルスではノロウイルスや肝炎ウイルスが代表的です。自然毒とはフグ毒や貝毒、毒キノコなどのことです。〈図1〉

図1 令和元年病因物質別患者数発生状況

このように非常にたくさんの原因がありますが、適切な対処を心掛けることでほとんどの食中毒を予防することが可能です。


家庭での食中毒予防

食中毒は約半数が飲食店での食事(外食)が原因で発生しています。〈図2〉家庭の食事では14%程度の発生率ですが、このところ身近になっているテイクアウトの影響で家庭での食中毒発生件数の増加が懸念されています。飲食店側は細心の注意を払っているとは思いますが、購入後の管理で思わぬ食中毒を引き起こすことがあるのです。

図2 令和元年原因施設別事件数
家庭での発生では症状が軽かったり、発症する人が1人や2人のことが多いことから風邪や寝冷えなどと思われがちで、食中毒とは気づかれず、重症化することもあります。家庭での食中毒予防のポイントをチェックしてみましょう。厚生労働省では6つの行動に分けて予防するよう呼び掛けています。

  1. 食品の購入/まずは消費期限に注意し、寄り道せずに帰宅するようにしましょう。生ものに付着した細菌は10℃で増殖しはじめ、15℃を超えると活動が活発になります。持ち帰りの際には、生ものは必ず保冷材などで冷やしてください。
  2. 家庭での保存/帰宅してすぐに冷蔵庫へ保管し、冷蔵庫内は適切な温度に設定しましょう。
  3. 下準備/こまめに手洗いし、食品はよく洗いましょう。包丁やふきんは消毒しましょう。井戸水の水質に注意しましょう。
  4. 調理/この際も手洗いを心掛け、しっかりと加熱しましょう。
  5. 食事/食事の前にも手洗いを行ない、長時間室温で放置しないようにしましょう。
  6. 残った食品/清潔な容器に保存しましょう。時間がたっていたり、少しでも怪しいと思うものは思い切って捨てましょう。また、ご飯やおかずが温かいままで容器のふたをすると、水蒸気が発生し、水滴が内側につきます。この水滴は自由水と呼ばれ、カビや細菌が繁殖する温床になります。粗熱をとってからパッキングしましょう。

食中毒は夏だけではありません

食中毒は暖かい時期に起きやすいと思われがちですが、ウイルスによる食中毒は冬を中心に多発しています。〈図3〉なかでも、ノロウイルスによる食中毒は全体の52%にのぼり、11 月から2月の冬場に多いことが知られています。またノロウイルスは感染力が非常に高く、2次感染予防が重要とされています。
ご家庭でできる対策としては消毒と手洗いですが、ノロウイルスはアルコール消毒では不十分なため次亜塩素酸での消毒が必要であることに注意してください。

図3 病因物質別患者数の月別発生状況

食中毒予防の3原則!

付けない・増やさない・やっつける 

まず、食中毒となる原因物質を付けないために、調理前には必ず手洗いを行ないましょう。この際正しい手洗い方法を行なうことがポイントです。
次に、原因物質を増やさないために、生鮮食品はすぐに冷蔵庫で保管しましょう。
そして、原因物質をやっつけるために、調理の際には食材の中心までよく加熱することを心がけましょう。
みんなで正しい予防を行ない、食中毒を防ぎましょう。でも、もしも体調が悪くなったら、すぐに医師の診察を受けてください。

   

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この記事は2020年8月現在のものです。

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