胃がんのお話

消化器内科

日本では、胃がんは肺がん、大腸がんに次いで死亡数が3番目に多いがん(図1)であり、2015年の胃がん死亡数は4.7万人で全がん死亡数の12.6%でした。胃がんは現在約13万人の罹患者がいますが、罹患・死亡率(図2・図3)は年々減少しています。胃がんのリスク減少および治療の改善が進んできていることが理由と言えるでしょう。


図1 部位別死亡数 2015年【男女計、全年齢】

部位別死亡数2015年(男女計、全年齢)

資料:国立がん研究センターがん対策情報センター

SourceCenter for Cancer Control and Information Services, National Cancer  Center,Japan



図2 部位別 年齢調整罹患率(全国推計値)年次推移【男女計、全年齢】

部位別 年齢調整罹患率(全国推計値)年次推移 【男女計、全年齢】


図3 部位別 年齢調整死亡率(全国推計値)年次推移【男女計、全年齢】

部位別 年齢調整死亡率(全国推計値)年次推移 【男女計、全年齢】

予防・早期発見について

胃がん発症の高危険群と言われる慢性萎縮性胃炎の原因として、ヘリコバクター・ピロリ菌が挙げられます。2013年から胃カメラでの胃炎診断症例に対して、ピロリ菌の除菌治療が可能となりました。それにより現在は、胃がんになる患者さんを減らし、除菌後も内視鏡検査を1年に1回施行することで胃がんの早期発見に努めていくという、「救命を目的とした外科的治療の時代」から、「予防・早期発見の時代」に変遷してきています。

また、胃がん検診として600万件/年以上の胃レントゲン検診が実施されていますが、2014年に対策型胃がん検診として認可された内視鏡検診も徐々に増加してきています。そのような中、内視鏡でも発見に難渋することもある除菌後胃がんに関して今後は対応が必要になってきています。

診断について

さて、胃がんの診断に関してのお話です。内視鏡での診断が中心で、近年は良好な画質に加えズーム機能なども備えた内視鏡があります。形や大きさだけではなく、粘膜面の微細な血管・構造の精査が可能となったことで、がん・非がんのより正確な診断ができるようになってきています。当院では、そのような精査可能な内視鏡を複数本常備していますので、健康診断の健診内視鏡でもそのまま精査を行なうことができる利点があります。


内視鏡的治療

胃がんの内視鏡的治療の適応は、浅い部分(粘膜)に存在する早期胃がん(図4)が中心です。内視鏡的粘膜下層剥離術(図5)という治療方法がメインであり、粘膜の下からがんを薄く剥いでいく治療です。通常内視鏡と同様に静脈麻酔で施行され、入院期間も短い傾向にあります。手技は出血や穴があくことに注意して行なわれます。切除部位は人工的に胃潰瘍が形成されていますので、治癒経過を確認しながら生活していただきます。最終的には顕微鏡で治癒切除に至っているかどうかを判定し、必要時には追加治療(外科的切除)を行ないます。


図4 早期胃がん

早期胃がん写真


図5 内視鏡的粘膜下層剥離術ESD(Endoscopic Submucosal Dissection) 

内視鏡的粘膜下層剥離術

画像引用:オリンパスおなかの健康ドットコム

当院では年間に約2,100症例の上部消化管内視鏡検査、約50症例の胃粘膜下層剥離術を行なっております。安心して検査治療を受けていただけるように日々研鑽を積んでおります。何かお困りのことや質問があれば当科にご相談ください。

この記事は2018年11月現在のものです。

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