慢性腎臓病(CKD)

C型肝炎の今

C型肝炎の新しい治療

C型肝炎とはC型肝炎ウイルス(HCV)の感染により起こる肝臓の病気です。HCVに感染すると約70%の人が持続感染者となり、慢性肝炎、肝硬変、肝がんと進行する場合があります。肝臓は「沈黙の臓器」ともいわれ、肝炎になっても自覚症状はほとんどありません。そのため、進むスピードは個人差がありますが、気づかないままおよそ20~30年で肝がんへと病気が進んでいく場合があります。早めに検査して、感染していないか確認しましよう。

インターフエロンを基本にした治療

1992年以降、わが国ではインターフェロンという注射薬を基本にした治療が行われてきました。投与期間の延長やリバビリンという飲み薬を併用することで、より高い効果が期待できるようになり、2003年にはペグインターフェロンという週1回の注射も開発されました。その後、C型肝炎ウイルスを直接破壊することができる薬剤(直接作用型抗ウイルス薬、DAA)が用いられるようになり、インターフェロン治療の難治例となりやすい1型に対しては(日本人に感染しているC型肝炎ウイルスは主に1型と2型です)2011年以降、テラプレビル、シメプレビル(2013年)、バニプレビル(2014年)とペグインターフェロン、リバビリンを併用する3剤療法が一般的になり、完治率は73~89%と向上しました。しかし、インターフェロンを基本とした治療は治療期間が長く(24から72週)、発熱、倦怠感などの副作用があり、治療継続が困難な場合もありました。

C型慢性肝炎に対するもっとも根本的な治療は、HCVを体内から排除することです。

飲み薬(直接作用型抗ウィルス薬)だけの「インターフエロンフリー」の治療

現在では、インターフェロンを使わない飲み薬だけの治療が登場し、「インターフェロンフリー」の治療として、2014年9月からわが国でも使えるようになりました。これが、1型に対する経口剤治療薬ダクラタスビル(ダクルインザ)とアスナプレビル(スンベプラ)の2剤併用療法(24週間内服)です。続いて、2015年3月には2型に対するソホス・フビル(ソバルディ)とリバビリン(レベトールもしくはコペガス)の2剤併用療法(12週間内服)、20-5年7月にはー型に対するソホスブビルとレジパスビル配合錠(ハーボニー)による治療(12週間内服)、20-5年9月にはパリタプレビルとオムビタスビル、リトナビル配合錠(ヴィキラックス)による治療(12週間内服)が承認され、本格的なインターフェロンフリー経口剤治療の時代となりました。これらはすべて飲み薬で、1日1~2回の服用で治療期間が短いことが特徴です。これにより、ー型の難治例の患者さんでも95%以上の患者さんでウイルスを体内からなくすことが可能となりました。また、インターフェロンを基本とした治療は発熱、倦怠感などの副作用がありましたが、飲み薬だけの「インターフェロンフリー」の治療は副作用も少なくなっています。


当院の治療効果 グラフ当院では2014年9月から2016年5月の間に99例(ー型刀例2型22例)経口剤治療薬を内服していただき、95%の患者さんが著効(HCV消失)となっています。また、副作用で治療が中止となった患者さんはいらっしゃいませんでした。

しかし、体内からHCVを排除することができても、これまで悪くなってきた肝臓病そのものが完治したわけではありません。とくに肝臓病が進行してしまった方の肝がん合併の危険性はひきつづき残っているため、定期的な採血、超音波検査やCT・MRー検査などの画像検査を受けることが重要です。また、これらの最新の治療法を受けられるのは、慢性肝炎と初期の肝硬変(代償性肝硬変)の患者さんに限られており、肝臓の障害が一局度で低アルブミン血症や腹水、肝性脳症などの症状を伴う非代償性肝硬変の患者さんには現在のところ投与することができません。どの治療法を選択した方がよいかは、患者さんの状態に合わせて主治医とよく相談する必要があります。

肝庇護療法(かんひごりょうほう)

HCVを排除できない患者さんには、肝がんの発生を予防する目的でインターフェロンを少量長期間用いる方法、C型肝炎の進行を助長する血液中の鉄分を減らすための潟血療法(200ml程度の血液を定期的に抜く治療)があるほか、ウルソデオキシコール酸(内服)やグリチルリチン配合剤(注射)により、肝機能を正常に保ち、肝炎の進行を防止する肝庇護療法があります。

医療費助成制度について

飲み薬だけの「インターフェロンフリー」の治療は治療効果が一局く、治療期間が短く、副作用が少ない治療ですが、一局額医療となります。現在、厚生労働省と各都道府県では医療費助成を行っています。


国立研究開発法人国立国際研究センター肝炎情報センターより引用


消化器内科科長 内視鏡治療センター長

白地 美紀(しらち みき)
専門分野肝炎、肝障害

【資格・所属学会など】

  • 医学博士
  • 日本消化器病学会専門医・指導医
  • 日本肝臓学会専門医
  • 日本消化器内視鏡学会専門医
  • 日本内科学会認定内科医
  • 日本超音波医学会

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